表現アーツセラピー・オンライントレーニングコース


講座概要

このコースでは、本コースの講師であるミッチェル・コザック博士がアチューンメントと名付けているところの、リズムや共鳴体験によって引き出される治癒的要素に注目しながら、

表現アーツが、神経生物学というレンズを通して、どのように、個人および集団のトラウマに対処することができるかということについて、

さらには、表現アーツによって、いかにクリエイティビティ(創造性)が引き出され、個人だけでなく、グループやコミュニティーの癒しへと繋がっていくのかを、事例や体験を通して、詳しく学んでいきます。

 

〜トラウマ治療の場面でのアーツの用い方が学べる〜

近年のトラウマ研究では、心理的な原因だけではなく、神経系統を介した生体反応との関連が実証され、ダンスや音、太鼓のリズムなどが、その治療に役立つことがわかってきています。

 

日本では、まだあまり馴染みのない表現アーツセラピーですが、海外ではトラウマや発達障害の治療などにアーツセラピーが用いられている事例は多くあり、その研究も進んでいます。

 

このコースでは、そういったトラウマの治療の場面でのアーツの用い方も学ぶことができます。

 

*講座ではミッチェル・コザック博士の著書、Attunement in Expressive Arts Therapyを使用していきます。そのための本読み会はこちらからご参加いただけます。(ご受講の有無とは関係なくご参加可能です)。

 

 

 

講師をお願いしているミッチェル・コザック博士は、表現アーツセラピーの第1人者として、35年に渡る臨床経験を持ち、米国レスリー大学で教鞭をとられています。また国際表現アーツセラピー協会の理事としても著名な先生です。

そして、ジャズミュージシャンという側面もお持ちのミッチェル博士、今回の、少々難解とも感じられるテーマですが、ワークショップでは彼の演奏によるファシリテーションもあり、音を楽しみ、即興的な音の世界に導かれながら、体験的にも学びを深めていくことが可能です。

 

 

・受講期間と受講方法

2021年7月から始まり、2023年1月まで続く、オンラインによるトレーニングコースです。

 1回3時間、月に1回のペースで、3ヶ月ごとを1単位とし計4期間(全36時間)にわけて、途中3回の休憩期間を取りながら、開催されます。

 オンラインによって、アメリカ在住のミッチェル先生とzoomでつながり、逐次通訳付きの講座です。(期間限定で後から動画でもご覧いただけます)

 

テキストのご購入

 今回のテキストとなるAttunement in Expressive Arts Therapyの改訂版が出版されました。

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コースⅠ

学ぶこと

コースⅠでは、自己、他者、そして大いなる神秘的な宇宙との深い対人神経学的なつながりの背後にある理論を学びます。

具体的には、呼吸、音、リズム、視覚的イメージ、ムーブメントを使って、心理的、感情的、身体的な意識状態に影響を与える方法を学びます。 特に詳しくお伝えしようと思っていることは、自然界、脳波、サーカディアンリズム、呼吸、循環、中枢神経系の様々なパルスなど、生命にかかわるあらゆる側面に、リズムがどのように存在するかの理解についてです。

創造的な探求と自己、他者、コミュニティへの同調を通して、健康と幸福をを取り戻すために、表現アーツセラピーが役立つ方法を見ていきます。

 

開催日時

 2021年7月18日(日)8:00-11:00

「アーツとセラピーにおけるアチューンメントの背景」

 

2021年8月15日(日)8:00-11:00

「リズムと共鳴 (パートI-エントレインメント)」

 

2021年9月19日(日)8:00-11:00

「リズムと共鳴(パートII-ミラーニューロンと対人神経生物学)」

コースⅡ

学ぶこと

コースⅡでは、私たちの環境や創造的な活動に見られるリズミカルなエネルギーが、深いリラクゼーションをもたらすアルファ波状態の誘発など、脳波の活動にどのような影響を与えるかを学びます。また、即興的な芸術表現に取り組むことで、時間感覚、身体イメージ、イメージの強化、脳内のβエンドルフィンの放出に変化が生じることを示した最新の調査研究についても学びます。

 

開催日時

 2021年12月12日(日)8:00-11:00

 「リズムと共鳴(復習・愛情と意識状態)」

 

2022年1月16日(日)8:00-11:00

「具体化されたクリエイティブ(創造的)な知性」

 

2022年2月13日(日)8:00-11:00

 「遊びの理論を用いたアーツとの相互関係性」

コースⅢ

学ぶこと

コースⅢでは、身体的な共感が、すべてのヒーリング・アートの基礎であり、他者の経験を理解するための鍵であることを学びます。アートにかかわることで「大脳辺縁系の共鳴」と呼ばれるより深いフロー状態や「共感的調和」と呼ばれるものを含む、深い感情状態を共有する能力につながることを探ります。また、すべてのアート表現に即興的なアプローチを活用することで、より深い落ち着きと内なる平和の感覚を得ることができることを探っていきます。 即興的アートのこうした側面は、個人や集団のトラウマを克服する作業にも応用できます。

 

開催日時

2022年5月15日 8:00-11:00

 「具体化された共感と表現アーツ」

 

2022年6月12日 8:00-11:00

 「表現アーツと即興」

 

2022年7月10日 8:00-11:00

 「個人、グループ、コミュニティーのトラウマとの同調(適応)」

コースⅣ

学ぶこと

コースIVでは、自分自身、他者、そしてより大きな環境の中にある、調和的でリズミカルなエネルギーに耳を傾けることで、全身を使って深く聴くことの利点を学びます。

この気づきは、伝統的な中国のヒーリングシステムにおける木、火、土、金、水の陰陽五行と、アーユルヴェーダシステム(ヨガ)における土、水、火、空気、エーテルの五元素が、どのように健康と幸福の状態を深めることができるかについての深い気づきに応用されます。

 

開催日時

2022年11月20日 8:00-11:00

 「ディープリスニング(深く聴くこと=傾聴)」

 

2022年12月18日 8:00-11:00

「5元素と表現アーツ」

 

2023年1月15日 8:00-11:00

 「全体の振り返り」

※トレーニングの内容・日程は変更になる場合がございます。


講師

ミッチェル・コザック博士 (Ph.D., LMHC, REAT)

マサチューセッツ州ケンブリッジにあるレスリー大学におい て、表現セラピープログラムの前ディレクターであり教授。 医療カウンセラーの資格を有し、表現アーツセラピストとし ても認定されている。主な仕事と研究の実績は、リズミック アチューンメント(同調)、即興、サイコスピリチュアル (精神的)およびコミュニティーとしてのアプローチを用い てトラウマに対処するというもので、国内外の学会で紹介さ れている。国際表現アーツセラピー協会(IEATA)前会長。 また、プロのミュージシャンでもあり、ボストンで35年間に わたり演奏をし続けている。